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カーボンブラック 全容理解と配合の技術

サイエンス&テクノロジー カーボンブラック 全容理解と配合の技術

発刊日
2016年7月28日発刊
価格
43,200円(税込)
体裁
B5版 並製本 143ページ
略称
カーボンブラック(S)
発行
サイエンス&テクノロジー㈱
販売
㈱ジャパンマーケティングサーベイ
著者
材料技術研究所 技術コンサルタント 技術士[化学部門]
渡辺 聡志 氏
購入者特典
本書の内容に関するご質問について、著者へメールによる問い合わせが可能です。
問い合わせ対応期間は発刊日より一年間です。

目次

趣旨

本書の特長
■ユーザーとしてカーボンブラックに向き合ってきた技術者が編んだ
 ユーザーによるユーザーのための技術書です
 
■実製造現場に適用できない理論・技術情報展開ではなく
 “現場で使えるカーボンブラック論”に満ちた一冊です
 
 カーボンブラックの利用技術に関する書籍は世界的にも数が少なく、 特に2000年以降の刊行書は探すことさえ難しい状況にあります。 既存書籍の多くは、カーボンブラックメーカー技術者の執筆によるものでした。 当然ながら、彼らはゴム・プラスチック・インキ・塗料などの製造開発技術に関しては素人です。 その負の側面として、現状のカーボンブラック技術論では、観念的で現場に適用できないような情報が“ひとり歩き” をしているのも事実です。
 本書の最大の特長は、直ちに現場に適用できる技術情報が多彩に展開されている点にあります。 著者は技術コンサルタントとして、カーボンブラックを使う全ての領域に対する豊富な技術指導歴を有しています。 その経験から培われたエッセンスが、全て投影されています。 既存書に有りがちな、単なるカーボンブラックの特性解説に留まることのない論述は、新たな活用のための視点をも呈示してくれるでしょう。 また、本書では「スス」に多くの頁が費やされていますが、読み進めるうちにその重要性も理解されることと思います。
 日本では一人だけだと思いますが、著者は “全ての製造法のカーボンブラックに関する開発設計と製造経験” を有しています。 この素地から、冷静な観点からのカーボンブラック比較論が生まれ、先行文献では踏み込めなかった技術的示唆が記されています。 「使いこなすための技術と情報」の集大成である本書を、貴社のカーボンブラック応用力向上のための“頼れる情報源” として是非、ご活用ください。
 
本書の内容紹介
■“カーボンブラック”とはどのような 物質・工業製品 なのか
 本質理解と、選定・使用に必要な視点を得るための情報を解説します
 
■各応用分野における配合設計技術論を、製造現場での経験をもとに解説
 誤った情報の指摘とその論拠、すぐに現場に適用できる現実的な技術情報が満載です
 
 第1部では、構造・性状・属性といったカーボンブラックそのものに対する理解を深める技術情報が展開されています。
導電性付与設計に欠かせない電子論、分散やゴムの補強性に関わる表面官能基、新たなカーボンブラックを求めた時の改質手法、 誤った解釈がされがちな一次粒子径・ストラクチャー構造…等。 これらの情報は、配合設計を検討する際の考え方の礎となります。
 
 第2部では、各応用分野における配合設計技術論を、理論的側面と製造現場で培った経験則の両面から具体的に解説。
 解説対象は、インキ・塗料(顔料としての配合技術)・導電性組成物・ゴムの3分野。カーボンブラックのグレード選定や効率的な配合実験に繋がる技術情報、配合製品の安定的な製造に必要な技術等について、 カーボンブラック技術者をトライ&エラーの迷路に誘い込む誤情報の指摘も交えながら解説します。
 
 第3部では、カーボンブラックの近縁材料として、配合検討材料の候補に挙がるスス・黒鉛・白炭・ホワイトカーボン(シリカ)の特徴と配合材料としての実際について解説します。 また、カーボンブラック活用の可能性を広げる情報として、耐熱性向上剤としての資質について、その発見に至った著者の実験・思考プロセスを紹介します。

概観 カーボンブラック

◆ 用途
◆ 分析
◆ 需要
◆ 選定

第1部 全容理解

1.概要
 1.1 工業材料としての歴史
 1.2 分類の変遷
 ・ 第1期の分類方法 [アルファベット3文字法]
 ・ 第2期の分類方法 [アルファベット3文字法 + 2文字追加法]
 ・ 第3期の分類方法 - ASTM D1522 規格として制定
 ・ 第4期の分類方法 [アルファベット1文字法 + 数字3桁法]
 1.3 製造法
 ・ 主な不完全燃焼法
  ① 松煙法
  ② ランプブラック法
  ③ チャンネル法
  ④ ファーネス法
 ・ 熱分解法
  ① アセチレン法
  ② サーマル法
 1.4 用途と需給
 ・ 国内動向
 ・ 国際動向
2.構造
 2.1 電子論
 ・ π電子とσ電子
 2.2 結晶子
 2.3 表面官能基
 2.4 単位形状
3.性状
 3.1 造粒体
 3.2 改質手法
 ・ 酸化操作
 ・ 表面官能基除去操作
 ・ 比表面積増加操作
 ・ 黒鉛化操作
 3.3 熱的挙動
 3.4 表面修飾
 ・ 表面へのグラフト改質
 ・ 界面活性剤に依る修飾
4.属性
 4.1 粒子径の概念
 4.2 ストラクチャー
 ・ ストラクチャー構成比を推測する測定規格
 4.3 純度
 4.4 着色力
 4.5 その他の属性

第2部 配合設計論

1.顔料活用のための選択と配合技術
 1.1 顔料用グレードの特徴
 ・ 着色用カーボンブラックの性状
 1.2 インキにおける透過光と散乱光
 ・ ストラクチャーの影響
 1.3 ビヒクルへの相溶性と分散性
 1.4 漆黒の演色
2.導電性付与のための選択と配合技術
 2.1 「導電性カーボンブラック」商品考
 ・ カーボンブラックとπ電子
 ・ 再考 導電性カーボンブラック論
 2.2 導電性組成物設計の基本
 ・ 配合設計の各論
 ・ 高導電領域
 ・ 半導電領域
 ・ 帯電防止域
 ・ 液系設計
 ・ TPEに特有の配合設計
 2.3 ストラクチャーの構成
 2.4 導電性特有の混練と養生
 ・ 界面濡れという現象
 ・ 養生の技術
3.ゴム物性制御のための選択と配合技術
 3.1 基本的な考え方
 3.2 強度向上と属性選択
 ・ プルーフレジリエンスの方向性
 ・ ストラクチャー属性と物性の相関
 ・ カーボンブラック配合量の少ない系における考え方
 ・ フッ素ゴム系配合の特異性
 3.3 分散阻害因子と対応策
 ・ 混練工程におけるカーボンブラックの投入順序
 ・ カーボンブラックマスターバッチの考え方
 ・ マスターバッチの具体的問題点
 3.4 混練の技術
 ・ マルチステージミキシング

第3部 付帯情報

1.近い関係にある材料
 1.1 ススの性質
 1.2 黒鉛と黒鉛粉
 1.3 白炭の導電性
 1.4 ホワイトカーボン
2.取り上げられていない論点
 2.1 ラジカル捕捉能
 ・ 高分子組成物における耐熱性
 ・ 結論
 ・ 検証対象としたカーボンブラックの属性
 ・ 配合量と耐熱性
 ・ 一次粒子相当径,ストラクチャー,灰分および硫黄分の影響
 ・ トルエン着色透過度の影響
 ・ 結晶子の発達状態の影響
 ・ O/S の設定理由とその影響
 ・ まとめ
 2.2 生成機構論

「春夏秋冬 カーボンブラック」

・ カーボンブラックとの出会い
 ・ ファーネスブラックとの対話
 ・ アセチレンブラックとの交流
 ・ 墨用の煙類に光をあてる
 ・ 新型カーボンブラックの印象
 ・ 新しいカーボンブラックへの幻影
 ・ カーボンブラックの技術講演を通して
 ・ ほんとうの あとがき
 
・筆者のカーボンブラック関連文献リスト
・技術用語解説
 
著者紹介
 材料技術研究所 技術コンサルタント 技術士[化学部門] 渡辺 聡志 氏
 大手化学企業研究職を経て1988年、旧東芝シリコーン(株)入社。2002年技術コンサルティング会社を設立、現場技術者に寄り添った実用的な技術指導を行っている。
 カーボンブラック分野では、三菱化学の「3030B」や、電気化学工業のアセチレン法カーボンブラックの新規開発に参画、新たな設計思想を有するカーボンブラックを生み出した。
技術情報誌「月刊Polyfile」において2006年4月から一年間連載した“知ってるつもりのカーボンブラック”では、カーボンブラックという素材の本質とユーザーが押さえておくべき技術情報を、 優れた文才と豊富な知見をもとに、明快かつユーモア溢れる軽快な語り口で解説し、大きな反響を呼んだ。 その他特許・学会招待講演・専門書執筆・技術講演多数。
 カーボンブラックの原材料製造から特性改質、配合設計、混練技術、量子論的解析に至る全ての技術要素を、 明快に説くことのできる稀有な存在である。
      
著者のことば
 ゴムの補強材、インクの着色材、乾電池の電解液保持材、プラスチックの導電付与材・・・と、多彩な能力を示すカーボンブラック。 それぞれの分野では、製品品質を左右する重要な配合材料となっています。
 既存のカーボンブラックに関する技術論の多くは、カーボンブラックメーカーと限られた大学からの発信でした。 当然、売るための誇張が過度に盛り込まれ、あるいは特定条件下の挙動が一般論化されていました。 そのような情報を参考にしていたのでは、カーボンブラックの活用はおろか誤用の危険性も捨て切れません。
 
 本書は“売るためのカーボンブラック論” ではなく、“使うためのカーボンブラック論” で構成されています。 さらに「カーボンブラックとは、どのような物質なのか」が本質的に理解されるように、多くの頁を充てました。
 本書を通して、客観的で正確なカーボンブラックの姿と性質を学んでいただき、新たな発想の下での自由な製品展開が図られることを、出版の目的としています。
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